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待てよ、今は誰もいぃひん。
屯所やと松田の荷物探ろうにも、何かと邪魔ばかり入りおる。
今しかないんちゃうか?
俺は音をたてないように、そっと松田に忍び寄る。
近づくと、甘い良い香りがする。
ああ、甘いもん食べたせいか。
せやけど、ドキドキするような匂いやな。
魔性の男やで、こいつは。
松田の刀は後にして、身に付けてるもんから探ってみよ。
すぅすぅ気持ち良さそうに眠る松田に「ごめんな」と小さく謝る。
そして、起きないように念を入れて、眠り薬を小さく開いている口に放り込んだ。
「ん…くっん」
一瞬起きそうやったけど、飲み込ませることに成功。
効果は5分くらいかかりから、近くで待っとこ。
あ~、罪悪感あるわ。
しかし、色が白いなぁ。
旅してた言うてたけど、日焼けしても黒くならんと、赤くなる方やな。
髪もろくな手入れしてへんはずやのに、サラサラやんか。
呑気に気持ち良さそう寝て、こいつ、憎たらしいわ。
って、俺が薬飲ませたせいもあるか。
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