特務の青二才が!※

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総司さんと斎藤隊長が同時に動く。 しかし、それよりも、私の前に躍り出た三浦さんが刀を真っ直ぐに構えた。 「バケモノが!!」 術式がかかっているらしき淡く光る刀に、突進してきた自分の勢いで、真っ二つに斬られた。 灰になり、そして黒い札も現れたが、そのまま札は三浦さんの刀に触れて切れると、パァンと音をたてて散り散りになった。 「うわっぷ」 三浦さんと私はそのキラキラと太陽の陽を浴びて輝く黒い塵を被ってしまう。 怪の中にあったものなので、何となく気味が悪く慌てて振り払うと、同じようにしている三浦さんと目が合った。 「ありがとう、三浦さん」 三浦とか、玉が…とか、先輩なのに暴言吐いてごめんなさい。 謝りたいがそれより三浦さんが動いてくれたことが嬉しくて、私は彼の手を握った。 「は、ははは! やったぜ、松田」 三浦さんも刀を仕舞い、もう一方の手を握ってきた。 「俺、パパを…皆を守ることが出来た! 俺がやったんだぜ!?」 「うん、三浦さん、格好良かった!」 子供のように大はしゃぎしながら喜ぶ三浦さんが本当に嬉しそうで、無意味にグルグル回ってしまう。 「はしゃぎすぎですよ」 ガッ! 「良か…ぐわっ!!」 両手を取り合ってグルグル回っていた私の足に、総司さんは自分の片足を差し出したせいで、側面から倒れた。 って、三浦さん裏切って手を離したな。 私だけが無様に転んでいた。 .
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