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そんな私達のやり取りを、近藤さんは受け入れるように静かに見守り、彦斎は他人事のように閑に冷めていた。
それでも悲痛の表情のまま、ヒマリ君は絞り出すように口を開いた。
「私には…今の彦斎が信じられません。
死に急ぐようにしか、これで終わりにしようしているとしか思えません!」
「ヒマリ、いい加減にしろ」
土方さんはヒマリ君を後ろに放り投げるように、肩を掴んだまま後ろに引いた。
砂利の上に倒れこんだヒマリ君を気遣いたいところですが、そろそろ頃合いでしょう。
投げ飛ばした土方さんは苦虫を潰したように、唇を噛んだまま屯所の入り口を確認した。
ここに移動する時に、誰にも分からないように土方さんだけに耳打ち。
一君が、とある人物を連れて来ると。
そろそろ、見えるでしょう。
源さん達がヒマリ君に近寄るのを目の端で確認してから刀を握り直した。
一君が連れて来る前に…片をつけなければですから。
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