2963人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
彦斎は尻餅をついたままのヒマリ君に何か言いたそうに口を開いたが、私が構え直せばそれに倣った。
とは言え…彦斎は居合いのような構えかた。
何度か刀を交えた一君が致命傷にはならずとも傷を与えましたが、それでも生きているのは、力がある証。
呆気なく死なないで下さいよ?
彦斎にそう伝えるべく微笑めば、彦斎も不敵な笑みを浮かべました。
「では改め、構え」
見計らっていた土方さんの、天高く響く声。
外野の方からの、息をのむ音、砂利を踏む音。
ヒマリ君の「止めて下さい」と悲痛の叫びと、源さんと松原さんの優しい声。
近藤さんからの揺るぎない信頼された眼差し。
「始めっ」
なんて心地よい、闘いの舞台。
.
最初のコメントを投稿しよう!