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何度かこの危険な職業から身を引くことも考えた。
しかし、気がつくとこの刑務所に戻ってきてしまう。
新しい武器、警備員の配置、違った脱出経路などはMを飽きさせることはない。
それは新しい興奮を味あわせてくれるのだ。
核兵器などとうの昔に消え去り、全ての世界で安全が約束されたこの時代。
年号をみると平和45年。
まったく、アホらしい。
これなら戦国時代に生まれた方がまだマシだ……。
昼過ぎMは目覚めた。
確かにこの時代、こんな方法で金を稼ぐやつは馬鹿だろう。
明日逃走できる保証など少しもない。
それに、彼ほど体力があり頭がいい人間なら高収入で独房なんかより断然いいマンションに住める。
しかし既に彼の思考は、この最高のゲームに浸っていた。
靴の紐をほどいて、しっかりと結ぶ。
さて。
今回は、
どんな手でくるものかな。
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