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カイト「君、名前は?」
そういえば名乗っていなかった
サヤカ「サヤカです」
カイト「よろしくな、サヤカ」
サヤカ「カイトは何していたんですか?」
HPが減っていたとはいえ、翼龍を一瞬で倒したのだ。私みたいな理由で来ているはずがない
カイト「俺は調査しに来たんだ」
サヤカ「調査?」
カイト「イベントが始まって特殊依頼でダンジョンの敵が強くなっているから適正Lvの調査に来たんだ」
やっぱり強くなってたんだ…
サヤカ「どれくらいなんですか?」
カイト「だいたい50くらいだ。君はどうして来たんだい?」
サヤカ「Lv上げに…」
カイト「まあそれが普通だよな」
サヤカ「カイトはパーティーはいないんですか?」
カイト「一応あと3人いるぜ」
まだ枠が空いている…それなら…
サヤカ「あの…」
轟音が響く
白銀の翼龍だ
カイト「下がってろ!!」
サヤカ「私も戦う!!」
カイト「駄目だ!!」
カイトが翼龍に斬りかかる
翼龍の体力が半分以上減る
翼龍の攻撃がカイトに当たる
サヤカ「カイト!!」
しかしカイトの体力は1割も減っていない
圧倒的だ…
カイトが翼龍に止めを刺す
サヤカ「強い…」
私なんか比べ物にならないほど強い
サヤカ「ありがとうございます」
カイト「気にしないで」
サヤカ「あのLvは?」
カイト「82だ」
強すぎる…私なんかがパーティーに入っても足手まといになるだけだ
街に到着する
サヤカ「ありがとうございました。」
カイト「じゃあさよなら」
カイトが手を振って去ろうとする
サヤカ「あの、私…」
私は泣きそうになる
カイトが近づいてくる
カイト「頑張って生きて…現実でまた会おう」
サヤカ「…はい!!」
私はカイトを笑顔で見送ることは出来ただろうか…いや、笑顔で見送れたはずだ。何故なら私はもう泣く理由はないはずだから…
なのに顔が濡れている。何故だろう…私は生きたい…生きて帰りたい…
私は1人じゃない…1人じゃないんだ!!
サヤカ「さよなら…カイト…また…会えるよね…」
カイトが遠く消えていく
短かったがとても長かった気がした
君にも会わせてあげたかった…ユウキ
涙が雫となり弾けて消える…
完
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