1人が本棚に入れています
本棚に追加
「もうすぐで俺ら三年は引退だな。」
「そうだな。」
夏の大会で結果を出せなければ、三年生は引退。
後は自分の進路の事で必死になるだろう。
「お前、進路どうするんだ?まだ親に話してないのか?」
「あんな屑やろうが親だなんて思いたくねえよ。」
「まあ、確かにヒドい所もあるけど、そんな風に言うなよ。お前にとってはたった1人の家族なんだから。」
「そうだけど・・・・。」
俺は家族と呼べる存在は父親しかいない。
母親や他の家族はいない。
原因は殺されてしまったからだ。
この父親に。
父親が会社をリストラされ、生きる気力なくし心中しようとしたらしい。
俺は殺されそうになったところを姉に助けられた。
幸い周りが住宅街だったために、近所の人が異変に気付いてすぐに警察を呼んでくれたが、生き残ったのは俺と父親だけだった。
この事件が起きたのは俺が中学に入ったばかりの頃だった。
当然、父親は逮捕された。残った俺は両親の貯金と親戚の助けを借りて生活している。
最初のコメントを投稿しよう!