椿鬼─ﾂﾊﾞｷ─

溜り場

屋上から出たあたしたちは、教室へは戻らずに生徒会室へと向かった。

聞けば、普段みんなはほとんどこの場所で過ごしていて、滅多に教室には行かないらしい。

「だって教室行ったら勉強しなきゃじゃん」

天馬が口を尖らせて言うけど、あんたは小学生か。

一体何のために学校に来てるんだろう？

精神年齢がもろガキの天馬に呆れながらもふと横を見ると、ソファーでタバコをスパスパとやり始めた玲央。

……ここ、学校だよね？

「ねぇ、学校でタバコとか平気なわけ？」

あたしは玲央の隣に腰を下ろして、首を傾げながら聞いた。