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「おい、聞いてんのか?」
男の声で、ハッと我に返るあたし。
いかん、あまりに綺麗で思わず見とれてしまった……
「あはっ、大丈夫です!
ありがとうございました」
あたしは、とりあえずお礼を言ってペコリと頭を下げた。
「いや、別にいいよ……
今度から気を付けろよ」
「は、はい……」
フイッと顔を背ける男に、あたしは小さく返事をした。
ってか、学校内で気を付けろって……どんだけ風紀が悪いの?
って思ったけど、さすがに口には出さなかった。
「教室まで送ろうか?
……もうすぐ授業始まんだろ」
「いえ、結構です。
ホントにありがとうございました」
この人とは関わらないほうが良い……何となくそんな気がしたから、あたしは急いで立ち去ろうとした。
けど…………
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