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「実は俺もわかんねぇんだわ……
でも、ただの女じゃねぇってことは確かだ」
「はぁ……素性もわかんない子を連れてきたの?」
叶多が呆れたようにため息をつく。
叶多の言う通り、何者かもわからない奴を溜り場に連れて来るのは、かなり危険なことだ。
……だが、俺は何故か美愛が悪い奴とは思えなかった。
いや、多分俺はあんな瞳をしていた美愛のことを、放っておけないだけなのかもしれない。
何も映っていない、何の表情もない……感情が欠落してしまったかのような美愛を、放っておけないだけなのかもしれない……
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