あいつ

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「大ちゃーん!」 「やだ大ちゃん寝癖やばいよー!」 毎日毎日うざいほど聞こえる女子の声。 ここ室蘭高校はごく普通の高校で、チャラチャラした生徒が約7割いる。 その中でもチャラチャラしてるのが… 「ったくうるせぇなぁお前ら…早く授業行け!」 こいつ。 大河悟 体育担当の教師 イケメンと言われ、男女問わず人気がある三十路。 「あ、真田ちゃん。」 「…はい」 「放課後また手伝ってくれる?」 「なんで私が…」 「いいじゃん生徒会なんだし」 「だったら大ちゃん私が手伝ってあげる♪」 「私も私もー!」 「お前らじゃ出来ないの。生徒会長の真田ちゃんにしか出来ないの!」 「…とにかく嫌ですから!」 私は急いであいつのところから離れた。 私はあいつが嫌いだ。 だって、他の女子には“お前ら”なのに、私にはそんな荒い言葉遣いはしない。 あいつは生徒会の顧問で関わりはあるけど… なんで私? もっと可愛い子とか、たくさんいるのに… そこがムカツク… どうせ気まぐれなんだろうけど。
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