8.消えない傷痕

2/14
5489人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ
……ここはどこ? ……あそこに誰かいる。 あれは…お父さんとお母さん?なんでここにいるの? お母さん生きてたの? お父さんとお母さんは私に背を向けて何処かへ行ってしまった。 (椿ー?何してるの?置いてくよー) 葉月と秋人と結菜と歩君が手を振っている。 私がみんなの所に行こうとしたらまたみんなはいなくなった。 待って! みんなどこ行くの!? 一人にしないで! 私を置いて行かないで! お母さん!お父さん!葉月!秋人!歩君!結菜! 迎えに行くから。 約束だ。 ………千景お兄ちゃん! (椿) 『千景?』 何処? 何処にいるの? すぐ後ろに千景が立っていた。 私は千景にすがった。 そこにちゃんといると確かめたかった。 ヌル…… え… 手には生温い血がついていた。 目の前の千景は血だらけだ。 『ひっ……』 私は千景から手を離した。 千景をもう一度見るとそこにはもう誰もいなかった。 『な、なに……』 (幸せになれると思った?) 『!?』
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!