12.永遠を誓う

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あれから三年がたった。 結菜は遠距離だった彼氏と結婚した。 なかなか会うことは出来ないが電話やメールは頻繁にしている。 歩君は意外にも家の会社を継ぐために 葉月は看護師になるために それぞれ大学へ進学した。 私と秋人は同じ大学に行っている。 三人とは同じ県内の大学に通っているからよく集まって近況報告する。 千景? 千景は…… プルルルプルルル 『はい』 (椿) 『あ。千景』 (今日は迎えに行くから。じゃ) 『へ?ちょ、ちかっ』 ブチッ…ツーツー 『………切れた』 「どうした?」 横にいた秋人が聞いてきた。 『いや、千景が…』 「千景さん?」 『なんか今日は迎えに来るらしい。』 「……あぁ。なるほど」 『?』 秋人はまるで内容を知っているかのような口ぶりで返事をしたかと思うとそれ以降はもう口を開かなかった。 講義が終わる頃には電話で言っていたとおりに千景が車で迎えに来ていた。 「じゃ、椿。またあとで。」 『うん。じゃあね…って、あとで?』 疑問をぶつける前に秋人は歩いて言ってしまった。 『…なんなの?』 ブツブツ言いながら私は車に乗り込み千景に聞いた。
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