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「無しにするわけねーだろうが。大体もう届け役所に出してるからすでに夫婦だし。」
『は!?』
私は婚姻届をまじまじと見た。たしかに私の名前と印鑑まで押してある。
『なっ!こんなの認められるわけないじゃないですか!!』
「知らねーのか?今の時代は金でなんでもどーこー出来るんだよ。」
そう言うと進藤さんは悪魔のようにニタリと笑った。
私は渡された婚姻届をぐしゃっと潰した。
「あ、それコピーだから。」
『っ!なんで私なんですか!?私なんか嫌でしょう!?進藤さんならもっといい人いますよ!』
「嫌だったら結婚しろなんて言わねーよ。」
『じゃあ進藤さんは私が好きなんですか!?』
「さぁ?知りたい?」
『別に知りたくありません!それ以前に私が進藤さんを好きじゃありません!』
「好きになるかもよ?」
『ありえません!』
「そんなの分かんないだろ。」
『はぁっはぁっ』
もうこの人には何を言ってもダメな気がしてきた…。
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