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「椿って家この近く?」
『うん』
「へー秋人も家近いよね?」
「あ?あぁ」
「いいよなーオレらなんかバスと電車通学だぜー?」
近いうえに車で乗りつけてごめんなさい。
「じゃあ、みんなで…校門まで一緒に、行こう?」
「お、いいねいこいこ!」
え、たしか千景送り迎えするとか言ってたよね?てことはもう来てたりするの?
「椿何してんのー?行くよー」
『え、ちょ、待っ…』
やばいやばいやばい!
千景とはちあわせになるー!
そんな心の叫びを無視して葉月ちゃんは私をズルズルと引きずって行った。
私は千景が来てないようにと何度も願った。
その願いが打ち砕かれるのは学校を出て三十秒後のことだった。
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