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「椿、起きたのか?」
『……千景』
「なんだ?」
『仕事、いつも私が寝た後やってるの?』
あ。やべ。
「別に、今日はたまたまだ。」
『嘘。この資料何日も前からやってる。』
「やってない。」
『日付書いてある。』
「………………。」
『ほら。』
コイツ意外と鋭いな…
『睡眠時間削ってまで家で仕事するのは私のせい?私の送り迎えとか世話するため?』
「別にそういうわけじゃ……」
『……明日から送り迎えいらない』
「はぁ?ダメだ」
『いらない』
「ダメだ」
『いらない』
「ダメだっつってんだろ。」
『やめてっ…』
?なんか様子が変だな
「おい?」
『お願いだから、私の為に自分を犠牲にするのはやめてっ……』
「お前どうしたんだよ?」
震えてる…?
「椿」
ビクッ
「おいで」
『…え?』
「いいから、ほら」
俺は椿の腕を引いて抱き寄せ、あやすように背中を撫でた。
「わかった。ちゃんと会社で仕事する。家ではしない。迎えにも行くのはやめる。でも朝は送る。」
『なんで…』
「会社に行くついで。それならいいだろ?」
『……うん』
椿の為にしたことで椿本人が苦しむのならやめる。
正直迎えに行けないのは心配だけど…
ま、仕方ないか。
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