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しばらく椿の背中を撫でたりしているとだんだん落ち着いてくるのがわかった。
「落ち着いたか?」
『うん。ごめん…』
「なんでお前が謝るんだよ。馬鹿。」
落ち着いたなら聞いてみるか。
「お前さっきはどうしたんだ?珍しく取り乱して。」
『……変な夢を見たの。』
「夢?」
『詳しくは覚えてないけど、すごく怖くて……胸が押し潰されそうになる夢……最近よく見るの。』
「内容は覚えてないのか?」
『うん。その夢を見た後に千景が仕事してるの見たら…なんか、怖くて』
「………」
俺もたまにコイツがうなされてるところを見ることがある。
「ごめんなさい」うなされながらコイツは何度も言っていた。
本人が内容を覚えてないならまだそっとしといた方がいいよな。
「よし。寝るか」
『え、仕事はいいの?』
「お前がするなっつったんだろ。それに明日から仕事の時間増えるから今日はしたくない。行くぞ。」
『………』
何か言いたげな椿の視線を無視して俺は寝室へ向かった。
俺は椿がベッドに入るのを確認すると、自分も入り椿を抱き寄せた。
『ちょっ!これで寝る気!?』
「……お前寝てるから気づいてないと思うけど今まで俺寝る時こうして寝てたけど。」
椿の顔がみるみる赤くなる。本当可愛いな。本人は自覚ないみたいだけど。
「もう諦めろ。寝るぞ」
『……寝れるわけない』
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