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そう言った椿が寝息をたて始めたのはそれから数分後のことだった。
こいつは警戒心があるんだかないんだか……。
でも警戒心を持ってもらわなきゃ困る。
コイツは男女どちらからも好かれる容姿をしている上に性格も普通にいい。
今は転校してきたばっかでコイツも気を張ってるから周りも安易に近寄りはしないだろうがいずれ心を開く友人ができるはずだ。
そしたらきっと周りからも告白され出す。
他の男に持ってかれるのは御免だ。つーか持ってかせねぇ。
ま、校門で夫だと宣言して牽制したからしばらくは大丈夫だとおもうがな。
……最近嫌な予感がする。それがさっき椿に夢の話を聞いたら余計に濃くなった。
今は目を離したくないのに椿が送り迎えやめろとか言いやがるから……
はぁ、明日洋に相談してみるか。
正直、椿の心が俺に向いてるのかは今の俺にはわからねぇ。
けど、さっき洋に椿が俺の話をする時は表情が柔らかくなると聞いたときスゲー嬉しかった。
俺は今まで椿を守るためなら…幸せにするためなら嫌われてもいいと思ってた。
椿が他の男を選んで幸せになれるならそれでもいいとすら思ってた。
けど、椿と(ほぼ無理矢理だが)結婚して一緒にいるうちにその考えは消えた。
他の男と幸せにさせるなんて絶対嫌だしもちろん嫌われたくもねぇ。
俺の手で幸せにしたい。
俺の手で笑顔にしたい。
離したくない。
その為には頑張って口説いて俺に惚れさせねぇとな…
でもその前にこの嫌な予感の正体を暴いてどうにかしねぇと…
「……俺が守るよ。」
俺は椿の髪を掻き分けおでこにキスを落として眠りについた。
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