6.近づく闇

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私は学校へ向かう車のなかで今朝千景に渡されたケータイを眺めていた。 何かあった時、帰りが遅くなる時にすぐ連絡出来るように……らしい。 『今日家出るの早くない?』 「あぁ、ちょっと洋にな。いつもの時間だと生徒が多いから。前みたいに囲まれるのは御免だ。」 『あー…』 私も学校で質問攻めにあうのかな……やだな。 従兄弟って言おうかな… 「言っとくけど」 『え?』 「今更叔父だ従兄弟だってごまかすなよ。」 『………』 コイツは人の心でも読めるのか? 「返事は?」 『へーい』 私は気づかれないように小さくため息をついた。 千景と私は来客用の駐車場に車を止めて学校へ入った。 そしたらちょうど理事長を見つけた。 『理事長!』 「ん?あ、椿ちゃん!早いねー。というか理事長とか堅いから普通に洋って呼んでよ。」 「洋。俺のこと見えてるか?」 「え?チカ君いたの?」 「マジでムカつくなお前……」 ヤバい。このままじゃ言い合いの巻き添えになる。早く退散しよう。 『あの~。私教室行くから』 「おう。じゃあな。」 『あ!今日から迎えいらないからね!』 「わかってる」 『じゃね!』 「じゃね!」 「待てコラ。何お前まで行こうとしてんだよ。話がある。」 「ちぇ~。ま、いいや。チカ君から話そうだなんてめったにないし。椿ちゃんの話だろうけど。」 「正解だ」 「理事長室でいい?」 「ああ」 「じゃ、移動しようか。」
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