6.近づく闇

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それから僕達は高校を卒業してそれぞれの道を歩んだ。 椿ちゃんと結婚したって報告されたときはさすがに驚いた。 「椿と結婚した。」 「はい?」 「少し強引だったけどな」 「いやいやちょっと待って。結婚?」 「あぁ。これで椿が幸せになるまでは傍で守れるだろ。」 「幸せになるまで?それ僕には椿ちゃんが自分の幸せを見つけたら手放すって聞こえるんだけど。」 「そのつもりだ」 「なっ!じゃあチカ君は彼女が他の男を選んでもいいの!?」 「……椿、俺の事覚えてないんだよ。俺の事だけじゃねぇ、小さい頃の記憶抜け落ちてるみたいなんだ。だからあんな約束であいつを縛り付けることは………出来ない。」 「っ!じゃあまた惚れさすとか思い出させるとかいろいろ方法はあるだろ!?忘れられてたぐらいでへっぴり腰になるような奴じゃなかったろ!?。あんたは僕の憧れだったんだ!今だって……」 「わりぃけど、俺はお前に憧れてもらえるような大層な人間じゃねんだよ。」 「この腑抜けが!」 そういえばこの時チカ君に久しぶりにキレたんだったなー でもさっき帰り際にメロメロにするんでしょってふざけ半分に聞いたら肯定的な返事が返ってきたからびっくりしたというか安心したというか……きっといい事あったんだろうな。椿ちゃん絡みで。 でも椿ちゃんもチカ君に惹かれ始めてるみたいだし赤飯炊くのもそう遠くないかも。 「さて、椿ちゃんの周りに警戒かー北条さんあたりに一緒に帰れないか聞いてみるかな。」
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