3人が本棚に入れています
本棚に追加
すれ違いの日々は、次第に互いの愛情を薄め、時間だけが虚しく過ぎ去って行く。
ほんの僅かな時間だったが、少しだけ父親を演じられた様な気がする。
無邪気な笑顔で接してくれる子供達は、安らぎを与えてくれた。
今、彼女に他の男がいようとも。
下手な手品を見せ、
驚き、笑い、もう一回やって
とせがむあの子達の無垢な心。
彼女の事は好きだ。
でも、どうしようもない事も世の中には必ずある。
言い訳を一つだけすると、
男としての強さ、優しさ、言葉では表せない『何か』が足りなかった。
『おじちゃんね、遠くに引っ越す事になったんだ』
日曜日のいつもよく行っていた朝の海。
身を引こうと決めた。
最初のコメントを投稿しよう!