第一夜

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ぴこん、と腕にある時計型無線がなった。どうやら帰って報告しなければならないらしい。はぁ、と溜め息を吐きながら今日の数を確認し、施設へと向かった。 自分が帰ると施設には自分より歳上な奴がたくさんいて食堂の中を一瞥。どうやら、食堂はまだお偉いさんが食べているらしい。報告が先か、と考えるとすぐに上へ向かう。 無事に報告を済ませて来たところで、貰った紙を胸ポケットにしまった。夕食は自室で摂るように言われたからきっと食堂が一杯なのだろう。 紙が胸ポケットにあるのを確認しながら夕食であるパンとシチュー、それから水を見ると自室のドアを開けてベッドに座る。ゆっくりと咀嚼しながら夕食を飲み込み盆などが消えたのを見送ると眠気が訪れた。 今日も普通で変わらぬ一日だった。そう、くだらない事を考えながら意識を闇に落としていった。
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