curtain call

2/7
前へ
/65ページ
次へ
少年は、酷く後悔していた 既に三機の僚機はスクラップと化し、オペレーターからの通信さえ繋がらない 「たかが二機の」迎撃に出てきたACは依然健在 それどころか姿すら確認できていない 「クソがっ! 俺のせいかよ!?」 悪態つく少年 その瞬間、彼方に閃光が見えた気がした ーー数時間前 「日常茶飯事の仕事だ どこかのACがこちらに向かっているらしい 迎撃に出ろ」 前髪で片目を覆い隠した銀髪の男性が、簡易な寝床に横たわる二人の女性に命じる 淡白に頷き、部屋を出る栗色 長髪の女性と納得いかなそうに男性をみる青色 長髪の女性 「アイリスは利口だな 文句一つ言わん」 呟かれる嫌み 女性はしぶしぶ部屋を出ると、PDAを取り出し操作を始める 「ワタシと彼方は交渉に出掛ける 帰ってきたら家がないなんて事にならないようにな」 「分かってるよ碧 大丈夫、仕事はするし住処は守る」 凛とした声で答え、女性は廊下を走る すぐに先行した女性ーーアイリスに追いついた 「シノン いつも通りで良いの?」 「それしかないでしょう 大丈夫よ ちゃんと起きてる」 アイリスが懐からカードキーを取り出し、扉に通す やや重たい音をあげ、開いた扉の向こうには二機のロボットがトラックに積み上げられる最中だった 一機は、明るみのある藍色を基調とした人型ーー全長は約5mと言ったところだ そのとなりに佇む赤を基調とした機体は、何とも言えない四つ脚のロボットで全長は少し縮んで4m程 二人はそれぞれの機体に乗り込む アーマードコア 略してACと呼ばれるこのロボットは、旧世代に普及した兵器だ
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加