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そんな事を考えだした矢先、集音マイクが後方の異音を捉えた
刹那、吹雪の向こうから中量二脚機が飛び出してくる
(コマンダーは餌?
いや、偶然ね……)
判断するが先か、フィーリングは少しだけ道を逸れる
その向こうにはコマンダーの車両
これで敵機は下手に攻勢には出れない
もし、射撃を行い、それが避けられたら指揮を失うことになるからだ
(まだ甘いわね)
咄嗟の隙にアイリスはグライドブーストを起動
通常出力とは比べものにならない排気炎を噴き出し、車両を追い抜く
追い抜きがてらに一発、バトルライフルを見舞うことも忘れない
横から直撃弾を受けた車両は横転ーー炎上した
明らかに動揺している敵機を置いて狭い山間を高速で駆け抜けるフィーリング
やがて、少し開けた場所にでた
(闇雲とは言えレーザーライフルは恐いですしね)
肩に装備されたジャミングを起動
崖から飛び降り身を隠す
「巧くやって下さいね……シノン」
敵機の近づく音ーー見失っているようで、えらく慎重な足取りが聞こえる
故に移動は遅く、恰好の的となっていた
「Goodnight……」
囁かれる声
遥か彼方に光るマズルフラッシュ
一直線に向かう超高速弾
一瞬遅れて、崖の上で爆発音が木霊した
滑り落ちてきたACの上半身らしき物を見送るアイリス
「Beautiful
流石です、シノン」
グライドブーストを使いカーテンコールに寄らせるアイリス
「止まっているなら当たって当然よ」
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