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後から秋が聞いた事によると、次に彼が目が覚めたのは丁度3日後、最初と同じよく晴れた
日であったという。
「親父!起きた。こいつ起きたよ!!」
あの日と同じ声、秋が唯一知るその声の主は今目の前にいる。
秋の寝ている場所。木製のベットの傍に座り、秋の顔をまじまじと見つめるその女性。
ぼやけた視界と意識がはっきりするにつれ、その顔立ちが自分より年下であること、美人であること、その肌は太陽に焼かれ褐色になっていることなどが分かり始める。
そして自分との顔が近い。
「近い・・・」
自然と言葉が出た後、女性にそのまま抱きすくめられた。
「ごめんごめん。でも嬉しかったのよ。」
目の前の女性の笑顔、ただ笑ったというだけなのに不思議と秋は具体的な幸せを感じた。
「見知らぬ人、この度は助けていただき、誠にありがとうございます。この小塚秋。このご恩一生忘れません。」
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