火の国から水の都へ

5/9
前へ
/11ページ
次へ
そしてローズさんは親父に近づき首をさわった 「なんとか生きてるわね 無事怪我も治ってるし」 「治ってる?」 「あの瓢箪の中には龍の涙が入ってるの 龍の涙は治癒の力があるからね」 「そうなんだ 親父が無事でよかった」 アハハと笑ったがローズさんは真剣な眼差しで俺をみる 「私、旅してるの あんたを第一お供に命ずるわ」 ビシッと人差し指を俺に向けた 「はい?その前に俺には家があります」 「あなたはアースを逃がした罪人といた人よ またお父様を危険な目にあわせたいの?」 「…っ わかりました 俺、ローズさんに着いていきます」 「よくいったわテイト!じゃあ支度しなさい」 ローズさんは明るくいう 俺が支度している間に親父と軍人は外に出されていて ローズさんは額に人差し指を当てて何かしている 「ローズさん?」 「記憶を弄ってるの あなたが火事で焼死したことにするわ」 ローズさんいわく 俺が家をでたより死んだのほうが親父に迷惑がかからないらしい 何故なら家をでただけなら、また戻ってくるから、軍人は何度も家を訪ねるからだ 「支度できました」 リュックをみせるとローズは家の中に何か放り入れそして爆破した 「爆破!」 「これが一番なの」明らかに語尾にハートがありそうな感じだ 「さあルビーのところへ行くわよ」 鼻歌まじりに前を歩くローズさん 「あっ私のことはローズでいいから」 とニッと笑う 「あと敬語もなし!敬語嫌いだし」 嫌いなんだ 確かに敬語は距離を感じるけど 「さあルビーに乗って」 とルビーにまたがったローズは俺に手を差し出した 「ほらテイト!早く怖くないからさ」 幼いローズみたいな少女が紅いドラゴンから手を差し出す そんな光景が目に移った 「へっ?」 「何やってんの?早く」 「あっうん」 そういってローズの手を握った あれはいったい何だったんだろう ローズなのかな? 「あの森にいったら龍の祠へ向かうわよ 一人ぶんの武器とか取りに行かないと」 「武器?俺には使えないよ 第一旅に武器はいるの?」 「いるわ なんせ戦う仲間を集めに旅してるんだもの」 あまりにニコニコした笑顔に再び恐怖を覚えた ローズが危ないこといって笑う時は必ず危険だ
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加