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だから、歩はしおりを持ったままの両手を彼女らの前へと出し力の限り振りながら否定をし、
「違うよー! これを見てたの。」
しおりを開いて目的の場所を指差して見せる。
そこには本日夕方から生徒のみで行われる前夜祭のステージプログラムが表になって書かれていた。
「前夜祭?」
それだけでは意味の分からない二人は声を揃えて疑問符を付ける。
歩は、待ってましたと言わんばかりに笑みを浮かべ、
「実は、うちのクラスもそうなんだけど、今年はステージで出し物したいクラスや部活がたくさんあったんだよ?
でも、さすがに全部は入りきらないから、急きょ前夜祭の許可を先生方に貰って、そっちでも出し物が出来るようにしたんだー!」
嬉しそうな歩に、二人からは自然と小さな拍手が出てしまう。
「さすが生徒会長。
私たちの知らない所でそんな努力が行われ、その努力がこの学校の新しい文化になって行くんだね。」
「しーちゃん?
牧之瀬さんがスゴイって気持ちはこれでもかって程伝わるんだけど、何かちょっと固いよ!」
笑いが三人に広がる。
明日が本番だと言うのにリラックスした面々である。
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