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「う、うん? まあいいか。とりあえずは食器片付けてな――」
許した方も、それを受け入れた方にも、思わず突っ込みを入れたくなるが、そこはぐっと堪えるカケル。テーブルの上の食器類を片付け、洗った後に小包を再度フィアから受け取り差出人を確認する。
「差出人は……おじいちゃんか。って事は……俺にお土産か?」
「そうなのですか?」
カケルは立ち上がり、戸棚の上に置かれている鉛筆立てからハサミを抜き取り、それを手に再び座る。
「あぁ。たまにあるんだよ。小物とか、送るに手間がかからないものは旅行先から送ってくれたりとかね」
フィアの疑問に答えながら、カケルは余計な部分を切らないよう丁寧にハサミで留めてある部分を切る。
外の包みの封をしているテープを切り、開き、中から現れたのは、手のひらにちょうど乗る様な大きさの銀色の小箱だった。
「なんだろう……」
そう呟き、カケルは箱を開ける。
「あら……」
覗き込んでいたフィアが感嘆の声をあげる。
そこにあったのは、口から火を吹くドラゴンのシルバーアクセサリーだった。
「ドラゴンのアクセサリー……。付属の手紙によると、カフスボタン、らしいね。袖口とかに留めるやつみたいだ」
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