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「うん? どうした?
もしかして、ドラゴン繋がりでどこかで見たことあるとか?」
どことなく雰囲気の違うフィアに僅かに戸惑うも、カケルは冗談めかしてそう問いかける。
ドラゴンのカフスボタンを睨み続けていたフィアは、まるでカケルの言葉が聞こえていないかの様に反応が無かったが、暫くしてフッと緊張の糸が切れたかの様に肩の力を抜き、カケルに対して呆けた顔で首を傾げる。
「ちょっとよく分からないですわ?」
「何故に疑問形なのさ」
「いえ、何となく心の琴線に触れる? 様な気がしなくもない?
と思ったので、たぶんですが」
カケルが呆れて突っ込むも、その返事もまた要領を得ない。
「まあいいや。そんなに気になったのなら一つあげようか?」
「ええっ!? 本当ですの!?
おじい様からの大切なお土産なのでは!?」
そこまで気になるのなら、持っていたり身に付けていてもいいのではないか、そんな何気ない提案であったが、三ヶ月に一度帰ってくるか来ないかの祖父からのお土産を、フィアはかなり重く受け止めている様で、そのカケルの提案に彼が思った以上に驚く。
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