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フィアの答えはカケルの思った通りの事であり、それが本当ならば真昼であろうが関係なく、低空でも空を飛べるということになる。
カケルは自分がどんな扱いになるかは分からないが、それも含め決心をしてムーナに向き直る。
「ムーナさん、フィアに姿を見えなくしてもらって向かおうよ。それならば、安全だよ」
「ほう。少しは抵抗すると思いきや、随分とすんなり受け入れたな?」
どうやらムーナは前回、前々回の経験から、結局は首を縦に振るとしても、カケルは気乗りせず幾らか御託を並べると思っていたらしい。
カケルはその問いかけに、何故か先程から俯きがちなフィアの方を見やり答える。
「まあ、三回目になれば慣れてくるよ。それに今度は昼間だからね。こんな中を飛べるなんて気持ちよさそうじゃないか!」
空を抱くように腕を広げるカケルにムーナは鼻を鳴らす。
「適応能力の高い奴め。とはいえ、引っ立てる手間が省けて何よりだがな」
「まあ、二人を信頼してるしね」
ちょうど周囲から目立たない場所を見つけたのか、視線を定め歩き出したムーナに追従しながらカケルは答える。
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