milk-dipper

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モモコはギターを置いて戻ると 「とりあえず、CD2組とスコアがいるなぁ」 とユウタが呟いて、手元のノートブックのキーボードを叩いて検索したが 「あれ?スコアはヒットしない…」 と画面を覗き込んだ。 「あぁ、このバンドはスコア出してないのか」 「えぇ!?そうなの?」 アンナとアリサも覗き込んだが 「ホントだ~」 「せっかくイメージ固まり始めてたのに」 と項垂れた。 「…そう言えば、バンドやってるヤツが『最近はスコア買わなくても、パソコンにCD入れるだけでスコアが作れる』とか言ってたよ」 「うそっ!?」 「誰が言ってた!?」 ヒロキの言葉にみんな顔を向けた。 「ヒュウガだよ」 「あぁ、アイツか。ヒュウガの番号なら知ってるから聞いてみようか」 ユウタはポケットから携帯電話を出して電話を掛けた。 「もしもし…おう…あのな…」 電話をしながら端の方へ行った。 「ヒュウガって?」 アンナが尋ねると 「あぁ、ウチの組でバンドやってるヤツなんだ。バンドの話してる時に、そんな話してたの思い出した」 ヒロキは微笑みながら答えた。 「ハンちゃん、バンドの話するんだ」 「オンチなのに」 「ほっとけっ!!」 ユウタが通話を終わらせて戻ると 「大方分かった」 と再びノートブックを叩いた。 「この機械の事だ」 と指差してアンナたちは再び覗き込んだ。 「うわぁ…結構するね」 「あぁ。だから、ヒュウガの家に行って作ってくる事にした。もう了承済み」 「ユウタ、ナイスっ!!」 「ということで今日行くんだが、みんなで行くのも迷惑だし、ヒロキと俺だけで行くか」 ユウタはヒロキの肩に手を置いた。 「私も行く~っ」 レオカが手を挙げると 「なんで!?」 ユウタは驚いた顔をした。 「ヒマだから」 「暇潰しかいっ!!」 「行くっつっても、ヒュウガ遊んでるらしいから2時間後に行くんだけどな」 「えぇ~っ」 「じゃあ、その間に曲決めっ!!」 アリサが言うと、CDプレイヤーを前に1曲ずつ聴き始めた。 「コレは夏の歌だからパス」 「コレは曲調が良いから採用」 10曲程度タイトルをホワイトボードに書き込むと、再度聴いて絞り込んだ。 「この7曲で良いかな」 「うん、良いね」 ユウタは紙にメモを取ると 「ちょうど良い時間だ。行こうか」 とフロアーを後にした。
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