milk-dipper

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モモコが部屋を出ると 「そういやぁ、MC決めた?」 ユウタが言うと 「いやぁ」 「ぶっつけだよ」 アンナとリオナは手を横に振りながら答えた。 「マジかよ!?急に何も言えなくなって気まずい沈黙作るのやめろよ?」 「どんなこと話すかくらい決めといたら?」 「う~ん」 アリサの言葉にリオナは腕を組むと 「バンド紹介と、イベント紹介と、軽い雑談くらいかな?」 「うん、そんなもんでしょ?」 アンナが頷きながら言った。 「バンド紹介とイベント紹介は2曲目と3曲目の間で、雑談は5曲目と6曲目の間かなぁ。構成的に」 ユウタは顎に手を掛けて言うと 「それにしても、バンド紹介って何すんの?」 リオナが聞いてきた。 「メンバー紹介とかかな」 「メンバーはフルネームで言うの?」 「名前だけの方がバンドっぽいじゃん」 「ん~…ん!?バンド名は?」 「そういやぁ決めてなかったな」 「もう“レンジャーズ”でいいんじゃない?」 「ハンちゃん、捻りないなぁ」 「真面目に考えてよ」 「何で俺、怒られるのさ!?」 「覚えやすい単語のバンドがいいね」 「う~ん」 暫く沈黙があると 「竹槍は?」 「だっさ!」 コウスケの案に思わず反応してしまった。 「…kid a goは?」 ユウタが言うと 「お?なかなか良いね」 みんな口々に言った。 「だろ?」 「簡単な単語だしね」 「よし、決定」 「ちょっとトイレ」 ヒロキが出ようとすると 「おぉ!!」 モモコが化粧を落とし終えて戻ってきた。 「…せめて眉毛くらい書こうよ」 アリサがポーチから化粧具をだしてモモコの眉毛を書いた。 「あとはこれで」 ユウタはワックスでモモコの髪の毛をセットした。 「コレでロックテイストだろ?」 「うんうん」 「それにしても、ハンちゃんにドッキリ計画は実行するの?」 「モチロン。アンナ、ちゃんと吹けるか?」 「うん、大丈夫」 アンナはピースサインをした。 「ふ~っ、すっきり」 ヒロキが戻ると 「さて、飲み物買い出し係決めよう」 リオナが拳を振りかざした。 「じゃ~んけ~んぽん!」 「っしゃ!!」 「勝ち抜け~」 「じゃ~んけ~んぽん!」 「あ…」 「コウスケくんに決定~」 「くそっ!」 コウスケは財布を手にすると、全員の飲み物を買いに行った。
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