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楽屋のドアが開くと
「アナタたち!今すごいアンコールかかってるよ!!」
マリーが慌てたように言った。
「よし、期待どおり!」
「行こう行こう」
全員ステージへ手を振りながら戻ると、客席から歓声と拍手で迎えられた。
「ありがと~!」
リオナが手を振ると、客席から返ってくる。
「実は2曲ほど用意してま~す」
「そこ内緒にしてよ」
客席から笑い声が上がると
「元気出して行くんでよろしくぅ!」
アンナの声にステージは暗転した。
ユウタのベースが弾かれると、女子陣が感高い声を揃えて歌った。
コウスケがドラムを叩くと、一斉に管楽器を鳴らした。
アップテンポな歌に全員で足踏みしながら演奏すると、客席も同じように足踏みしながら音楽に乗った。
ドラムソロになると、コウスケにスポットライトを当てて、全員でしゃがむと、サビの前で跳ね上がった。
アンナの掛け声と共に2曲目とつながると、力強いトロンボーンとサックスの音が鳴り響いた。
今までよりも勢いのあるアンナの歌声を後押しするようにモモコとアリサのコーラスが入る。
客席ではモッシュ&ダイブが頻繁に起き、熱気で火が付きそうなほど熱くなっていた。
「いえ~い!」
「ありがとぅ~!!」
「募金ヨロシク~!!」
2度目の挨拶を終えて楽屋に戻った。
「いや~!最高だね!」
「いえ~い!!」
汗をタオルで拭うと、皆で飲み物を飲んだ。
「ユウタ~!ヒロキ~!」
「ニシバヤシ!!」
ニシバヤシが楽屋に訪れていた。
「おぉ、ありがとな」
「いやいや!最高っ!!」
ニシバヤシは興奮した様子で話していた。
「ユウタもヒロキもカッコ良すぎ!ボーカルの子も可愛いし」
「で、誰が一番かわいいって?」
「うわっ!!」
ニシバヤシの真後ろにはリオナが立っていた。
「そりゃ…サックスの子です」
ニシバヤシが目を泳がせながら答えると
「どっち?」
レオカがリオナと指差して聞いた。
「えっと…リオナさん」
と指差したが
「ぶ~っ、そっちはレオカ」
リオナとレオカは両手をクロスさせてバツ印を示した。
「関田さんもカッコ良かったよ」
「あら、ありがとう」
「どっちの関田さん?」
「こっちの…レオカさん」
さっき教えられた方を指差したが
「ぶ~っ!実はこっちがレオカでした」
さっきと反対の方を指差して教えられると
「なんなんだよ~」
ニシバヤシは困惑した顔をしていた。
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