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コンビニまで10分程歩いて
「あっ、みりんありました」
アンナが棚から見付けると、シホはカゴに入れた。
シホは他にも雑誌やお菓子を入れると、レジへ持って行って会計を済ませた。
モモコとアンナも飲み物を買って店を出ると、シホはドアの横で腕時計を見ながら待っていた。
「ちょっと回り道して帰ろうか」
シホが言うと
「はい」
「いいですよ」
アンナとモモコは微笑んで答えた。
「2人とも高校生?」
「そうですよ~」
「高2です」
「若いね~。彼氏は?」
シホの言葉に
「いないですよ」
「ウチの学校、良いのいないですから」
2人は手を横に振った。
「そうなんだ。職場には?」
「あ~、ないですね」
「でっかい人と無口な人とヘリクツの神様しかいないです」
「ヘリクツの神様って?」
「ユウタ!」
「うわ~、言っとこ」
アンナは携帯からメールを送った。
少し歩くとすぐ携帯が鳴って
「あ、ユウタからだ」
「なんて?」
モモコはアンナの携帯を覗き込むと
「『うるせぇ!タコぼうず』だって」
アンナは笑いながら読み上げた。
「ひどーい!」
「あ、でもホントにタコぼうずっぽい」
モモコをアンナが指差して笑っていると
「はっ!」
シホは急に息を呑んだ。
「後ろにストーカーが…」
小声で言われてクルッと振り返ると、男が1人後ろにいた。
「あの人なんですか?」
「うん…」
アンナがジッと見ると男は足を止めて道の端に寄った。
アンナたちが歩き出すと男はそっと歩き出した。
曲がり角を曲がると、男も曲がってきた。
「ホントだ、ついて来てる」
「捕まえます?」
モモコが聞くと
「うん」
シホは頷いた。
3人は、もう一度曲がり角で曲がってすぐ壁に張り付いて隠れた。
そろそろ来る頃だともう1度陰から後ろを見ると、男は消えていた。
「アレ?いない」
「ホントだ!」
モモコも見たが、やはり居なかった。
「…まぁ、帰りましょうよ」
少し足早にシホの家に帰った。
「…これは明日もかかりそうですね」
「明日はシホさんの帰り道からついて行こうよ」
モモコの言葉に
「…じゃあ、よろしく」
シホは少し微笑んで頷いた。
「じゃあゴハンにしようか」
シホは腰を上げると、再びキッチンへ行った。
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