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アリサは閃いたように
「バンドは?」
と言うと
「あぁ、楽器が出来れば時間少なくても練習出来るし、何より個人練習が利くな」
ユウタは頷いた。
「とりあえずギター、ベース、ドラム、ボーカル」
サラサラとホワイトボードに書き込んだ。
「コウスケ、ドラム出来たよな?」
「あぁ、最近構ってないけど」
「じゃあ決定」
ドラムの横にコウスケの名前を書いた。
「俺はギターが出来るけど…他にギター弾ける人いない?」
「私弾けるよ」
「じゃあモモコか俺がベースかギターね」
2人の名前を書き込むと
「じゃあ、ボーカル」
「はいっはいっ」
アンナとリオナとアリサが手を挙げた。
「ハンちゃんは?」
「俺、トライアングルがいいなぁ。俺、歌下手だから」
ヒロキの言葉に全員冷めた空気を漂わせた。
「…それにしても、トリプルボーカル?」
「いやいや、音が重くなりすぎでしょ?」
「じゃあ私が歌うから、2人がふわっとコーラスしててよ」
「その役リオちゃんがやりなよ」
3人で言い合っている様子を見ながら
「そうか…バンドにしては人数多すぎだな」
ユウタは頭を抱えた。
「じゃあ曲ごとにボーカル入れ替えるのは?」
「それ、去年の文化祭ライブの時に、隣のクラスの澤部がいるバンドでやってたけど、客がしらけて帰ってったじゃん」
「あぁ、カヅミさん所のバンドねぇ。生徒会で照明やってたから見てたけど」
「じゃあどうすんの」
ユウタは考え込むと
「逆に、3人は何の楽器出来るの?」
「私はサックス」
リオナが手を挙げて言うと
「そう言えば吹いてたな」
と苦笑した。
「私はピアノ」
アンナは手を挙げて言うと
「私はトロンボーン」
アリサも手を挙げて言った。
「アリサ、トロンボーン出来るんだ」
「一応、入学して半年は吹奏学部に居たからね」
「そうなんだ」
「朝練から始まって夜遅くてキツいから辞めたけど」
「へぇ~。俺はトランペットが出来るけどね」
ヒロキの言葉より、ユウタは楽器を思い並べると、ピンと閃いた。
「そうだ、SKAバンドが出来る」
「スカ?」
「そう、知らない?バンドに管楽器隊を付けたバンドの事だよ」
「へぇ~!!」
「これなら全員参加出来る。…と言うわけでアンナがボーカルになるな」
「やった!!」
図らずしもボーカルになれたアンナは満面の笑みを浮かべた。
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