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「ふ~、一時はどうなるかと思ったよ」
アンナが安堵の表情を浮かべると
「うん、ユウタの推理が外れてる気がしてきてドキドキしたよ」
モモコも大きく息を吐いた。
「確証はあったよ。まぁ、時計のトリックは思い付きだったけどな」
「だろうな」
「コウスケ、ようやく喋ったか」
ユウタが背中をチョップすると
「てか、ヒュウガは男だけど“ノゾミ”って名前だろ」
「知り合いだったんかい!?」
驚きに目を見開いた。
「ちょっとな」
「…気付かれたらヤバかったじゃん!」
「そうそう!そうだよー」
「まぁ、ハッタリでも通った勝ちだよ」
気楽に笑うユウタを他所に、3人の背中は冬とは違う寒気でゾクッとした。
会社に帰ると、ヒロキたちは仕事を終えてトレーニングルームでくつろいでいた。
「おぉ!?お疲れ」
「あぁ、ホントに疲れた」
ユウタは手を縦に振りながら言うと
「どうだった?」
リオナとレオカが声を揃えた。
「あぁ、詠み通りだった」
「うん、ユウタのヘリクツが炸裂ってカンジで解決?みたいな」
モモコが言うと、アンナは頷いた。
「あ~、ヘリクツ太郎だからね」
「何でその名前が浸透してんだよ!?」
「まぁ、あとは2人で解決しなきゃいけないってカンジで帰っちゃった」
アンナはピースサインをしながら言うと
「じゃあ明日から休みに入れそうだね」
アリサがアンナの2本の指を掴みながら言った。
「えっ!?明日から休み?」
「うん、年末だからサンガニチまで休みにするらしいよ」
ヒロキがニコニコしながら言うと
「マジか」
ユウタは目を見開いて言った。
「まぁ、出たいなら正月も出て良いって」
「出ねぇよ!」
ユウタは携帯電話を開いてカレンダーを確認すると
「ねぇ、みんなで年越ししようよ!」
リオナが言い出した。
「えっ?どこで!?」
「ウチで!」
「えぇ~、リオナの家かよ」
「リオ、明日からお兄ちゃん帰ってくるし、ウチはお父ちゃんの部下の人たちが来るからダメでしょ?」
レオカが言うと
「あぁ、そうだった!」
リオナは頭を両手で抱えた。
「仕方ない、ハンちゃんの家で」
「…何で俺の家なんだよ!?」
「じゃあみんなお菓子持ってハンちゃんの家集合ね」
「わかったー!」
「ちょっ!待てって!!」
ヒロキの声が部屋中に響いた。
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