Never Shine

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「どうって、玄関から合鍵で」 「合鍵!?どうやって手に入れたんだ?」 「カギ屋で作ったんじゃないの?」 「それ、犯罪だぞ!」 ユウタはヒロキの家に上がりながら買い物袋を1つリオナに渡すと 「それがまた合法なのよ」 と笑いかけた。 「何で!?」 「マユミに借りた」 「母さんに!?」 「私が直接病院まで行ってたら、快く貸してくれたよ」 リオナはピースサインをしながら言った。 「はぁ!?何で貸すんだよ!」 「言ったじゃ~ん、『年越しはハンちゃん家で』って」 「…あっ!アレ、冗談じゃなかったのか」 「マユミに話したら『家は自由に使え』って」 「…いい加減ウチの母さんを名前で呼ぶのやめてよ」 ユウタが奥の戸を開けると、アンナとアリサは台所に居て、モモコとレオカはコタツでのんびりテレビを見ていた。 「寿司入りました~」 「イェーイ!」 ユウタがテーブルに置くと、ヒロキは棚から皿を出して並べた。 「それにしても、よくウチに来れたね」 ヒロキが聞くと 「ん~?ユウタがGPSの地図データを送ってきたからそれに沿って来たんだよ」 アンナが携帯電話を見せてきた。 「じゃあ、もしかして」 「俺には店の前の地図がきた」 コウスケも携帯電話を見せると 「…だからウチの前に居たんだ」 と気が抜けた顔をした。 「それはそうと、さっきから何煮込んでんの?」 ヒロキが指差す方に、自分の家のものではない大鍋が火にかけられていた。 「おでんだよー」 「マジで!?俺、おでん大好きなんだよ」 「あ、まだ食べちゃだめよ」 「夜に食べるんだから」 「マジか」 「昨日から家で仕込んでたんだよ」 レオカが言うと 「これ持ってバスとか乗ってきたけどね」 モモコが寿司を頬張りながら話した。 「うわっ」 「ちゃんと漏れないように蓋にガムテープで塞いでたよ」 「でも重かったねぇ」 「具の追加してあるから、夜が楽しみだね」 みんなで今年の思出話をしながら、寿司に舌鼓を打った。 食べ終わると、ヒロキの部屋からゲーム機をテレビに繋いでゲーム大会を始めた。 「へい、パース!」 「ハンちゃん、こっち!」 「リオナとレオカ2人でゴール前行くなよ」 コントローラーを複数繋いでサッカーゲームで8人同時に遊んだ。
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