Never Shine

6/17
前へ
/129ページ
次へ
部屋の中におでんの湯気が立ち込めて、ホカホカと温かい空気が漂う中で、8人は鍋を囲んだ。 「ピザお待ち~」 ヒロキは電子レンジで温めたピザをテーブルに置いた。 「うまぁ~い」 「リオちゃん、食べるねぇ」 リオナはピザを片手に串にささったスジ肉を食べた。 「あっ!ハンちゃん、紅白つけて」 アンナがテレビを指差しながら言うと 「はいはい」 リモコンを操作して、紅白歌合戦に番組を切り替えた。 「うわぁ、相変わらず多いな。このアイドルグループ」 「48人なんだっけ?」 ユウタとレオカが画面を見つつピザを取りながら言った。 「やっぱマユちゃんが可愛いよね」 「えぇ!?ハルナでしょ?」 アンナとモモコが言うと 「マリコでしょ~」 「うん。おしゃれさんだし、スタイル良いし、美人だし」 リオナとレオカが言った。 「ハンちゃんは?」 「断然、トモミっ!」 「へぇ、ギャル系好きなんだ。コウスケくんは?」 「俺もトモミかな」 「へぇ~、なんか意外っ!」 「ユウタは?」 「俺はユキ派だな」 「あ、だから犬がユキちゃんなんだ!」 「違うわっ!俺の名前の候補だったらしいから、ユキってつけたんだよ」 「ってか、男の子はみんなユウコかアツコだと思ってたよ」 「ん~、案外そうでもないぞ」 テレビを見ながらみんなで喋り、次々と出る歌手を見た。 「さて、お風呂入ってくるよ」 ヒロキがおもむろに立ち上がると 「どうぞどうぞ」 みんな流すように送った。 が、しかし 「ちょっ!?電気消すな!」 真っ暗になった風呂場からヒロキの声が響くと、全員でクスクス笑った。 ビショビショで変なカンジになったヒロキが風呂場から上がると 「誰だよ!?電気消したの!」 ヒロキの怒鳴り声に、みんな笑った。 その後 「わっ!こわいこわいこわい!!」 ユウタの声と、更にその後 「おいっ、やめろ!」 コウスケの声が響いたのであった。
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加