Never Shine

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ユウタは話し掛けてくる同級生のヨウジの顔を見た。 「なんで?」 「今、何人かに『夜にこっそり集まってやろうって』話してるんだ」 「ふぅん」 「やらなきゃ絶対間に合わねぇよ」 「ん~。んで、何人ぐらい集まりそうなんだ?」 時々通る教師の目を気にしながら教室の隅に寄った。 「とりあえず、シンジとサトミ、ヒデキ、カオル、アツムは来るって」 「んでも、どうやってやるんだ?」 「それは…あとで話す。頼むっ!来てくれ」 ヨウジが手を合わせると 「分かったよ」 ユウタは腰に手を当てて答えた。 「よし、8時に集合な」 「おうっ」 ユウタは体育館に行って自分の作業に就いていると 「ユウタは行くのか?」 コウスケはスッと横に来て言った。 「あぁ、行くよ。コウスケは?」 「俺も」 「そうか」 小声で話していると、担任が作業を手伝いに来ていたため、話すのをやめた。 いつものように下校して家に帰ると、ユウタはさっさと晩御飯を食べた。 「そんなに急いで食べなくても」 母親に言われると 「これからまた学校で準備なんだ」 ユウタはお茶でご飯を流し込んだ。 「そんなことして良いの?」 「ダメ。だから内緒でやるんだ」 「…じゃあ許可できないよ」 「なんで!?」 「子供が夜に出歩くなんか危ないよ。何かあったらいけないからダメなんでしょ?」 「大丈夫だって!今やらなきゃ間に合わないんだよ」 「でも、万が一何かあったら時に責任とるのは大人だよ!?」 「だから、責任くらい自分でとるってば」 「そうはならない!必ず大人が責任とるもんだよ」 「…でも、こうしてまでやらなきゃ間に合わない」 それから、ユウタは母親をなんとか説得し、学校へ再び行く事が出来た。 ただし、2時間だけ。 白い息を弾ませて玄関の電気が消えている学校へ着くと、待ち合わせ場所を聞いていない事に気付いた。 とりあえず中庭まで行き、絵を置いている“技術室”に行くと、煌々と明かりが付いていた。 ボーッと近付くと技術室内には教師がいて、ユウタはあわてて死角に体を隠して中の様子を見た。
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