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ユウタは餅を器に2つ入れて、ハマグリと海苔を入れると、醤油ベースの汁を流し込んで雑煮は出来上がった。
「わぁ~っ、美味しそう」
リオナは汁の匂いを嗅ぎながら言うと
「ウチのと違うね」
レオカは箸を並べた。
「リオナの家はどんなの?」
「ウチのは白味噌で、具にニンジンとかゴボウとか鶏肉が入ってるよ」
「へぇ、ウチのは醤油に焼き餅だよ」
アンナは雑煮をテーブルに置いていった。
「さぁ、食べよう!」
「いただきます!」
みんな一斉に雑煮へ箸をつけた。
「…どう?」
「うんまぁ~い!」
「ユウタ、料理出来るんだね」
「料理ってほどじゃないけどな」
ユウタは少し笑いながら器の端から目を覗かせた。
不意に玄関の扉が開くと
「ただいま~」
とヒロキの母親が夜勤明けで帰ってきた。
部屋のドアを開いて
「お帰りなさぁい」
とみんなで迎えると
「ただいま。あと、明けましておめでとう」
母親は深くお辞儀した。
「明けましておめでとうございま~す」
「母さん、お風呂タイマーしてあるから沸いてるよ」
「うん、ありがと」
「何か食べる?」
「うん、お腹空いた~。社員食堂休みだから何も食べれなくて」
「じゃあ雑煮なっ」
ユウタがピースサインしながら言うと
「うん、よろしく」
母親はピースサインを返しながら風呂場へ行った。
「さてっ、布団片付けとくか」
ヒロキは器を流し台に置くと
「私も手伝うよ」
アリサも器を流し台へ置いた。
「えっ、何か悪いよ。お客さんなのに」
「いいのいいのっ」
ヒロキとアリサが部屋を出ていくと、リオナとレオカは意味あり気に笑った。
器はモモコが洗って乾燥機へ入れていると、母親がお風呂から上がってきた。
「あらあら、モモコちゃん。いいのに」
「いいえ~」
「ヒロキは?」
「アリサと布団片付けるって」
「そう」
ユウタが母親の前に雑煮を置くと
「わぁ~、ウチのと違うね」
「わぁおっ!話がループだぜ、マユミ~」
「まぁ、何てことなの~」
両手を広げて海外コメディのようなリアクションをとった。
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