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ヒロキとアリサが部屋に戻ると
「さて、みんな集まったことだし、この前のライブDVD観よう」
リオナがカバンからDVDを取り出した。
「それ見に行きたかったけど、仕事で行けなかったのよー」
「ハンちゃん大活躍でしたよ」
「どこがだよ!?」
ヒロキは口を尖らせた。
「おい~、コウスケくん、テンション上げてるね」
「…なんも言ってないだろ!?」
レオカがグリグリと頭を撫でる手をコウスケは取り払った。
DVDプレイヤーにDVDを入れると、リオナはリモコン片手に操作した。
「えぇ~っと、キャプチャー8…」
画面が暗転すると、“8.kid a go”と文字が出た。
拍手の中、次々と出てくる自分達の姿に
「おぉ!?」
「なんかカッコいい」
と声を漏らした。
「カメラがいっぱいあったのって、イベントのDVDのためだったのか」
「あ、ハンちゃんだ」
ヒロキはキョロキョロしながらステージを歩いていた。
「ん?ヒロキ、何持ってんの?」
「トライアングルですよ」
「何で!?」
「“おで、とりゃいあんぐりゅが、いいだぁ~”って言うからです」
「だから、そんな言い方してないって!!」
「あはははっ!ヒロキ、目立ったじゃない」
「こんな目立ち方したくなかったよ!」
「あ、アンナちゃん歌上手いね」
「ありがとうございま~す」
アンナはニコニコとして頭を下げた。
「あっこの曲のユウタ見て!」
モモコの声に静かに待つと
「あっ…すっごい顔作ってるね」
ユウタのベース弾く顔を指差して笑った。
「笑うんじゃねぇよ!」
「それにしてもさ、ユウタよりモモコの方が上手いんじゃない?ソロ弾いてたし」
レオカが言うと、モモコは得意気な顔をした。
「んなワケないだろ!ベースは弦が少ないから、音を如何に出すかテクニックがいるんだよ」
「テクニックなら同じくらいじゃない?」
アリサが言うとユウタは画面を指差して
「ほら、この曲のソロ。指で弾くのにモモコ、ピックで弾いてんじゃん」
「だってフィンガー苦手なんだもん」
モモコは口を尖らせて言った。
「俺なんかピック、フィンガー、スラップもやってますからね」
「はいはい」
その後、アンコール曲で
「ユウタの足踏み超変!!」
「がに股だね」
「みんなとズレてるし」
「ホントだーっ!なんで!?」
少し巻き戻して確認すると
「右足2回踏み込んでるからでございます」
「テクニックが違うからね~」
「うるせぇっ!」
ゲラゲラと笑われる中でユウタが叫んだ。
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