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「お前は、どうしてそんなに優しいんだ…?」
ゾロアークがそう言って顔を上げリリスを見つめると、リリスが微笑んで言った。
「だって、夢を見せてくれたから…
少しだけだったけどお父さんと愛し合う夢を見せてもらったから…
あなたはNのために私をさらうためにそうしたのかもしれないけど、でも私はその間ひと時だけでも幸せだと感じたから…
だから、そのチョコはそのお礼よ…」
「リリス……」
ゾロアークはそう言って目を潤ませると、宙に浮いていた2つの小箱をそっと受け取り、それを大事そうに抱えるとやがてポツリと呟いた…
「…リリス、今回はこのチョコに免じてお前を見逃してやる…
お前からチョコをもらえたとなればNもゲーチス様も喜ぶだろうからな…」
「ありがとう、ゾロアーク…」
リリスがそう言って微笑むとそれを見たゾロアークはかすかに頬を赤らめた…
すると、テレスが言った。
「…あーあ、ゾロアークもすっかり戦意喪失させられちゃったし、こうなったら仕方ないな、僕も今回はこのチョコに免じて君の事見逃してあげるよ。
本当は甘いものあんまり好きじゃないんだけどね。」
「あら、好きじゃないんだったら持っていかなくてもいいわよ、1個置いて行って。」
「…いや、ありがたく受け取るよ。」
テレスはそう言って、宙に浮いていたもう2つの小箱を受け取ると腕に抱えた。
「それにしても、君も相変わらずお人好しだね、リリス…
僕達に情けをかけてこういう事するから、いつまでもプラズマ団に狙われるんだよ…」
「だったら、あなた達を冷たく突き放せばいいと言うの?
でもどちらにしろ、あなた達は私の事を狙って来るでしょう?
私に伝説ポケモン達と心を通わせられる力がある限り…」
「まあね。
それに、君を手に入れられればノボリとクダリは必ず君を助けに来るだろうから、そうなれば2人を捕まえやすくなるだろうし一石二鳥だ。
どうやらゼクロムとレシラムを操るにはノボリとクダリの力が必要みたいだからね…
レオン殿、あなたはその理由が分かっていますよね?」
テレスがそう言うと、レオンは眉を潜めていた…
「ま、とにかく僕はあまりノボリとクダリの事は好かないけど、ゲーチス様とN様はノボリとクダリを狙ってる…
だから気をつけた方がいいよ、リリス。」
「ご忠告ありがとう…
でも、私もノボリ兄さんもクダリ兄さんもあなた達には絶対に屈しないから。」
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