黒と白~陰と陽の奇跡~

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―その頃、遠ざかって行くテレス達を見ていたレオンはやがてリリスの方を向いて言った。 「リリス… 私のせいで大変な思いをさせてしまったな… すまない…」 「ううん、そんな、お父さんのせいじゃないわよ…」 「いや、私のせいだ… ゲーチスと因縁関係を築いてしまった私のせいでお前とノボリとクダリはゲーチスに狙われる羽目になった… 生前私があいつの思いを受け入れなかったせいで… 私が、あいつの気持ちを分かってやれなかったせいで… そのせいであいつは私が亡くなった今でも私を求めているんだ… 私の意志、誇り、そしてお前達を…私の大切なもの全てを我がものにするために…」 「どういう事? お父さんとゲーチスは一体どんな関係だったの…?」 「私とゲーチスは幼き頃からの親友だったんだ…」 「なんですって…!? それ、本当なの…?」 「ああ、本当だ…」 「そんな… 信じられない… まさか、お父さんとゲーチスが幼い頃からの親友だったなんて…」 「お前が信じられないのも無理はない… お前だけではない、今の私達の状況を見たら誰だって信じられないだろう…」 レオンはそう言うと、遠い目をしながらさらに続けた… 「私達が幼かった頃のイッシュ地方はな、平和な今と違ってものすごく荒れていたんだ… 特に人の心が、酷く荒れていた… 人間達は小さなポケモンを捕まえては商人に売りさばき、金を儲けていた…そんな時代だった… そんな中、私はゲーチスと出会った… リリス、彼のパートナーポケモンであるサザンドラの事を知っているかい?」 「いいえ…」 「そうか… ゲーチスはお前の前ではサザンドラを出した事がないのか… ノボリとクダリは幼い頃に会った事があると思うが…」 「…え? そうなの?」
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