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「なっ…
何をおっしゃるんですか、私がレオンに会いたいなどそのような事思うわけないでしょう!」
「…落ち着いてください。
それに、僕は別にあなたにレオン殿にお会いしたかったのかと聞いたわけではありませんよ?」
面白そうに口元に笑みを浮かべながらそう言うテレスにゲーチスは眉を潜めながら言った。
「あなた、私をからかってるんですか?」
「いえそんな、ゲーチス様をからかうなどとんでもございませんよ。」
「そうですか…?
それにしても、これほど失敗続きというのもあなたにしては珍しい事ですね…
それほどリリスは手強いという事でしょうか…」
「今回はリリスではなく、レオン殿にやられましたけどね…
それに、ノボリとクダリにも…」
「え?」
「昨日、あの2人、気づいていたみたいなんですよ、僕の存在に…」
「なんですって…!
という事はなんですか、あなた、もしやノボリとクダリにまんまと泳がされていたという事ですか?」
「みたいです…
ま、ノボリとクダリに気づかれたと言うよりはジラーチが僕の存在に気づいて、それでなかなか真実の目を開かなかったからそれに気づいたノボリとクダリがそれを不思議に思い、誰かいるんじゃないかと思ってそれで僕の存在に気づいたみたいですが…」
「言い訳は結構です。
何はともあれ、あなたがリリスをさらってくるのに失敗したのは事実です。
罰を与えなければ…」
「おっと、それはお待ちくださいゲーチス様。
確かにリリスをさらってくる事には失敗しましたが、でもその代わりにリリスからこれを預かって来ました。」
テレスはそう言うと懐から、リリスからもらった小箱を取り出した。
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