黒と白~陰と陽の奇跡~

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「リリスから…?」 「はい。 リリスからゲーチス様へバレンタインチョコのプレゼントです。」 テレスがそう言うと、ゲーチスは一瞬驚いたように目を見開いたが、やがて冷静さを取り戻して、 「…そうですか… リリスが、私にバレンタインチョコを…」 と言い、テレスからその小箱を受け取った。 「あと、リリスはN様の分のチョコもくれました。 そちらの方は今ゾロアークがN様に渡しに行ってます。」 「そうですか…」 ゲーチスはそう言うと、その小箱を開けた… すると、そこにはハート型のチョコが入っていた… 「ハート型の、チョコ…」 ゲーチスはそう言うと、それを半分にパキンと割り、その右半分を食べた… ゲーチスはしばらくそれを無言で食べていたが、やがてその目から一筋の涙が流れ、ゲーチスはポツリと呟いた… 「…レオン……」 「ゲーチス様……」 「…このチョコを食べたら、レオンの事を思い出したんです…」 「そうでしたか…」 「ええ… あんな奴の事、思い出したくなかったんですけどね…」 「(それはどうだか…) そうですか… ところで、どうしてチョコを半分に折ったんですか?」 「この半分は、あのお方の分です…」 ゲーチスはそう言ってもう半分のチョコを小箱に戻すとそのふたを閉めた。 「そうですか… あのお方の…」 「ええ… という事で、私はあのお方の所に行ってきます…」 ゲーチスはそう言うと小箱を持って立ち上がった。 「テレス、今回はリリスからのバレンタインチョコに免じて、あなたに罰は与えません。 なので、あなたは部屋に戻っていてください。」 ゲーチスはそう言うと、ドアを開け部屋から出て行った。 テレスはゲーチスが出て行ったドアを見つめながらポツリと呟いた… 「あのお方、か… (あのお方はプラズマ団の力の源と言われるお方… とは言え、あのお方は訳あって表舞台には出て来られないけどね… さて、リリス、君にとってあのお方の存在は果たして吉と出るか、凶と出るか… 見物だね…)」 テレスはそう思うと、口元にフッと笑みを浮かべた…
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