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そして、ゆっくり噛んで初めてのバレンタインチョコの味を噛み締めていたが、やがて、
「……美味い……
それに、優しい味がする……」
と言い、Yは一筋の涙を流した…
「Y様……」
「…ゲーチス、リリスは心優しい人間なんだな…」
「それはもう…
リリスは私やN様にも優しくしてくれますから…
リリスはきっとあなたの事も受け入れてくださるでしょう。」
「そうか…
…だが、どんなに心優しくとも、病によって崩れたこの醜い顔を見たら……
リリスだってきっと私に恐れをなし、私を白い目で見るに違いない…」
Yはそう言って右手で顔を抑えた…
「Y様、そのような事はありません…リリスは他の人間とは違います。
リリスはあなたの顔を見たとて、驚く事はあるかもしれませんが、しかしきっとあなたを恐れる事も、あなたを白い目で見る事もせず、あなたという人間を受け入れ優しく包み込んでくださるはずです…リリスはそういう人間です。」
「ゲーチス…
…そうか…
早く会ってみたいものだな、リリスに…
もはや写真で見ているだけでは物足りないのだ…」
Yはそう言って懐からリリスが写っている写真を取り出すとそれを見つめた…
すると、それを見てゲーチスが言った。
「それは、私が以前お渡ししたリリスの写真…
ずっとお持ちになっていたんですね…」
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