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「ああ、肌身はなさずな…
たとえ写真でもリリスを見ていると心が癒やされ、落ち着くのだ…
それに、病も落ち着くような気がする…
治りはしないだろうが、一瞬でも病が落ち着けば少しは気も楽になる…
実際にリリスと会って話しをすれば、おそらくそれは更に、だろうな…
だから、早くリリスに会いたいのだが…」
「我々も早くあなたにリリスを会わせたい一心で色々と手は尽くしているのですが、彼女も彼女の周りの者達も堅く、なかなか彼女をこちらに連れて来られないのです…」
「…ふむ、そうか…
ならば、やはり私が直々にリリスに会いに行くしかないか…」
「Y様、それはなりません!
あなたが幼き頃は病状も軽かったため少しは外の空気に触れても大丈夫でしたが、今はあなたの成長と共に病状も悪化しています…
なので、今外の空気に触れるのは危険です…」
「…うむ…
だが、少々考えすぎではないか…?」
「いいえ、今外に出れば最悪あなたの身が持たなくなる事も考えられます…
ですから、外に出るなどそのような事二度とおっしゃらないでください。」
「…分かった…
ところで、これだけ美味いチョコを作ってもらって何も返さないというのは男が廃るな…
ホワイトデーにはまだ早いが、何かお返しがしたい…」
「ふむ…ならば、何かアクセサリーをプレゼントするというのはいかがでしょう?」
「アクセサリーか、それは良い考えだな…」
「何かご希望がおありですか?
何もご希望がなければ私がリリスに似合うと思うのを適当に選んで買って来ますが…」
「希望か…
ふむ…」
と、Yはリリスの写真を見つめた…
そして、やがてYはポツリと呟いた…
「…星形のブレスレットはどうだ…?」
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