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「Y様…
ですがサイゾウもリリスと同じく、頼んだとしてもすんなりこちらに来てくれるとは思えません…
サスケのように心を操ってもいいでしょうが、サイゾウは伝説のポケモン達を手懐けるほどの腕前なのです、我々の策略などなんなくはねのけてしまうかもしれません…
とにかく、サイゾウはハンゾウの後継者とも言われているようですから油断は禁物です…」
「…だがな、ゲーチス、私はもうこれ以上お前に手を汚してほしくないのだ…
私のためにそうしているのならば、尚更だ…」
「Y様……」
「…とにかく、サイゾウとやらの事はあとで考える事にして、今はリリスに星型のペンダントとその手紙を届ける事を優先してほしい…」
「…かしこまりました。
では、早速リリスの所へ行って来ます。」
「うむ…
…あ、その前にゲーチス、その機械はいつものように7人抜き設定にしているのか?」
「ええ、そうですが…」
「そうか…ならば、ゲーチス、今日はもう3人プラスして10人抜きに設定してくれないか?」
「じゅ、10人抜きですって!?
いけません、Y様、そんなに無理をされてはお体に障ります!
それに、私がそばにいる時ならまだしも、私がそばにいない時にもしもの事があったら……」
「…案ずるな、ゲーチス、私はそんなにヤワではない…
それに何より私のそばにはジャローダや他のポケモン達がいる…
だから大丈夫だ、10人抜きなどどうって事ない…」
「ですが、Y様…」
「…ゲーチス、私はリリスに会うまでもっともっと強くなっておきたいのだ…
いや、強くならねばならない…
だから、頼む…」
「Y様…
仕方ありませんね…
ならば、あなたにこれを…」
ゲーチスはそう言うとYのそばに来て、左腕にしていたデジタル式の腕時計を外すとそれをYに手渡した。
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