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「ええ、勿論…!」
その男性プラズマ団員がそう言って右手でグッと頭を掴み、やがてバッとその変装を解くと、そこには、背まで長い紅い長髪をたなびかせ、口元には紅色の覆面をして紅色の忍服を着用した、優しい眼差しをしている、美女のごとく美しい青年の姿が露になった!
「それがしを誰とお思いですか?師匠。」
『フフ、
それもそうだな…
それにしても、珍しい事もあるものだ…
お主が変装を解いて、その素顔を見せようとは…。』
「ふふ、たまにはいいじゃありませんか。
それに、それがしとて、たまにはこうして素顔であなたにお会いしたい時もあるんですよ…
なんてったって、あなたはそれがしの父親も同然なんですから──…。」
『フフ、左様か…。』
ハンゾウは嬉しそうに目を細め、覆面で見えない口元にフッと笑みを浮かべた…。
「ええ…
──さて、
積もる話しは沢山ありますが、
今はあいにくゆっくり話している時間もありませぬゆえ、早速ご報告をさせて頂きます…。」
そして、サイゾウは盗聴したゲーチスと“Y”という男の会話の一部始終をハンゾウに話して聞かせた…。
『──ふむ、なるほどな…
それにしても、“Y”、か…
ならば、その男はゲーチスのもう一人の息子か…
ゲーチスがその男を匿っていて、さらに、その男の事を“様”付けで呼んでいたからには、その男がプラズマ団の真の王と見てまず間違いないだろうな…。
拙者が推測するに、
その男が病を患っているからに、Nはおそらくその男のスペアとして、プラズマ団の王と崇められておるに違いなかろう…。』
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