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1万円で、あなたの時間をうってくれませんか?
目の前に現れた少女は、唐突に俺にそう言った。
「私に、あなたの時間を売って下さい。1時間、1万円で!」
「は?」
「私には“時間”がないの。だから、お願い!」
少女が頭を下げると、ひとつに結わいた長い黒髪が一緒に揺れる。
後ろで、何かがうごめく気配がした。
「あぁ、もう見つかった…!」
髪を揺らし、焦ったように振り返る。
「ごめんなさい。あなたの時間、いただきます!」
「え?」
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